PDK(Process Design Kit)は、特定の半導体プロセスに合わせた設計支援ファイル群です。
世代をまたぐ互換性や移行性、設計資産の再利用性は、実務でも教育でも重要な観点です。
本節では、PDKの世代構成・変更要素・互換性管理の実態について整理し、
0.18µm ~ FinFET以降までを対象に、設計実務への影響と対応策を学びます。
項目 | 内容 |
---|---|
デザインルール(DRC) | 層間距離、配線幅、高さ制限などの寸法規則 |
デバイスモデル | SPICE等で使われるMOS, BJT, Diode等の動作モデル |
レイアウト構成 | GDS層情報、マクロセル、ダミーパターン規定など |
抽出ルール(LPE) | パラメータ抽出用の寄生容量・抵抗の定義 |
シンボル・回路図 | 回路エディタとの接続用シンボルと回路ブロック群 |
スクリプト | DRC/LVS用ルールスクリプトやMakefileなど |
sky130A
, sky130B
などが並存世代 | 主な違い | 設計上の注意点 |
---|---|---|
0.35µm〜0.18µm | デバイス構造が単純。長チャネル動作前提 | 手動設計が主体、PDKも簡素 |
0.13µm〜90nm | 配線遅延が支配的に。RC抽出が必須 | 抽出モデルの精度が設計に直結 |
65nm〜28nm | 方位依存、DFM制約、デバイス寄生増加 | レイアウト依存性の制御が重要 |
FinFET(16nm以下) | トランジスタ構造が非平面化 | モデルの精度・電界効果の再評価が必要 |
RTLコード
や 機能レベルの設計(Verilog, SystemCなど)
はPDK非依存テストベンチ
も流用可能性ありsky130A
は、Sky130 PDKの教育向け標準版
Sky90
, Sky65
のようなPDK追加も期待されるpdk_structure.md
:PDKの基本構造とファイル群eda_toolchain.md
:ツールチェーンとの接続rule_check_flow.md
:DRC/LVS等の検証フロー© 2025 Shinichi Samizo / MIT License