アナログ回路は、トランジスタの微細なばらつきや配線構造の違いによって性能が大きく変化します。
そのため、レイアウト段階での工夫が回路特性の安定性と信頼性に直結します。
このセクションでは、代表的なアナログレイアウト設計の注意点とベストプラクティスを解説します。
項目 | 説明 | 意図 |
---|---|---|
対称配置(Symmetry) | 差動対などは物理的に完全対称に配置 | オフセット・ばらつき低減 |
共通中心配置(Common-Centroid) | 寄生勾配の影響を均等に分布 | 温度勾配・ストレス対策 |
マッチング(Matching) | W/L寸法・配置条件・方向性を合わせる | トランジスタ特性一致 |
等長配線(Iso-Length) | 差動信号線などは配線長を揃える | 遅延差・カップリング抑制 |
ウェル共有と分離 | 同一バイアスの素子はウェル共有、異バイアスはガードリングで隔離 | クロストーク/ラッチアップ防止 |
A B
B A
構成 | 説明 |
---|---|
P-Well / N-Well分離 | 異なる電位間にガードリングを配置し絶縁強化 |
Deep N-Well構造 | N-Well下層に深堀領域を形成し、寄生バイポーラを分離 |
Analog/Deep Analog Region | アナログ専用の高アイソレーション領域があるPDKも存在 |
noise_and_psrr.md
:ノイズと電源変動耐性の設計へ© 2025 Shinichi Samizo / MIT License