2.3 3D積層技術:TSVとハイブリッドボンディング
🏗️ 3D積層とは?
3Dパッケージングとは、複数のチップを垂直方向に積層し、TSVやバンプで直接接続する実装技術です。以下のような方式があります:
- TSV(Through Silicon Via)による貫通配線
- Hybrid Bondingによる配線層同士の直接接合
- μ-bump積層による階層接続
🔩 TSV:スルーシリコンビア
✦ 概要
- シリコン基板を縦方向に貫通する導通ビア
- 直径 3–10 µm、深さ 50–150 µm(AR > 10)
✦ 形成プロセス概要
- 深堀りエッチング(DRIE)
- 絶縁層形成(SiO₂)
- バリア・シード層堆積(TaN, Cu)
- Cu電解めっき → CMP → メタル露出
✦ 利点と課題
項目 |
内容 |
利点 |
高密度配線/短遅延/小面積 |
課題 |
歩留まり/熱拡散/応力管理(Cracking) |
⚡ Hybrid Bonding(ハイブリッドボンディング)
✦ 原理
- 金属-金属接合と絶縁体-絶縁体接合を同時に実現
- 中間層不要の「ダイレクトボンド」技術
✦ 代表技術
技術名 |
特徴 |
採用例 |
Direct Cu-Cu Bonding |
高密度・極小ピッチ |
TSMC SoIC, Sony CIS |
DBI (Direct Bond Interconnect) |
バンプレスで高速伝送 |
Xperi, Intel Foveros Direct |
✦ 技術比較(μ-bump vs Hybrid)
項目 |
μ-bump接続 |
Hybrid Bonding |
ピッチ |
40–100 µm |
1–10 µm |
対応周波数 |
~10 GHz |
~40 GHz以上 |
結合層 |
バンプ+接着層 |
接着層なし(密着) |
🧊 熱とテストの制約
項目 |
課題 |
解決策例 |
熱 |
下層チップが放熱しにくい |
サーマルビア、薄化・熱拡散板 |
テスト |
中間層アクセス困難 |
Built-In Self-Test(BIST)やモジュール単体テストの工夫 |
🌐 適用例と今後の展望
企業 |
製品・技術名 |
内容 |
Intel |
Foveros, Foveros Direct |
ロジック同士の3D積層 |
TSMC |
SoIC |
ダイ間のダイレクト接続 |
Sony |
Stacked CIS |
イメージセンサの3D積層 |
📎 次節への接続
次節 2.4:実例紹介 では、これらの2.5D/3D実装が実際にどう使われているか、主要企業の製品事例に焦点を当てて解説します。