本節では、本章で取り扱うPoC(Proof of Concept)設計の全体像を整理し、その目的・対象範囲・想定読者・実習の位置づけを明確にします。
以下の3ブロックを主対象とします:
ブロック | 機能 | 主な学習項目 |
---|---|---|
FSM | 状態遷移と制御生成 | クロック同期回路、状態エンコーディング |
MUX(2:1) | 信号切り替え | 組み合わせ回路、レイアウト単純化 |
Adder(4bit) | A + B演算 | 計算回路、ゲート規模、タイミング特性 |
項目 | 内容 |
---|---|
PDK | Sky130 Open PDK(SkyWater Technology提供) |
言語 | Verilog RTL(SystemVerilogは使用しない) |
ツール | OpenLane v2 + Magic + Netgen + KLayout |
出力 | 最終GDS、DRC/LVS通過済み |
制約 | 小規模(1,000ゲート以下)、フルカスタム不要 |
拡張性 | 複数PoC合成によるSoC化への発展余地あり |
次節4.2では、FSM・MUX・Adder各ブロックの機能仕様・I/O定義・状態遷移表・真理値表を明示し、Verilog設計に直結する構造へと落とし込みます。