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🔄 デジタル/アナログ境界:ADC・DACと混載設計課題


📘 概要

ミックスドシグナル設計では、アナログ信号とデジタル信号の変換インターフェースが不可欠です。
主な構成要素として、ADC(Analog to Digital Converter)DAC(Digital to Analog Converter) があり、それぞれに設計・レイアウト上の注意点があります。

さらに、アナログとデジタルが混在するLSIでは、ノイズ・基板分離・検証の課題も伴います。


🔁 ADC(A→D変換器)

項目 内容
目的 アナログ信号をディジタル値へ変換
主な方式 SAR(逐次比較型)、ΔΣ(デルタシグマ型)、フラッシュ型など
設計指標 分解能(bit)、サンプリング周波数、ENOB、INL/DNL、SN比
応用例 センサデータ取得、音声信号のデジタル化、通信信号処理など

🔄 DAC(D→A変換器)

項目 内容
目的 デジタル値をアナログ信号へ変換
主な方式 R-2Rラダー型、電流加算型、加重容量型など
設計指標 リニアリティ、応答速度、出力インピーダンス、グリッチ特性
応用例 オーディオ出力、電圧制御、波形生成、モータ駆動制御など

📏 混載設計での課題と対策

課題 対策例
電源ノイズの伝播 アナログとデジタルで電源/GND分離、LDO介在
基板経由の干渉(サブストレートノイズ) Deep N-Well、ガードリング、配置隔離
デジタルクロックのスパイク混入 クロックバッファ段階的配置、等長配線、インピーダンス整合
帯域外エイリアシング 入力側にアナログアンチエイリアシングフィルタを挿入

🧪 設計上の重要ポイント


🛠️ 教材的意義


✅ 本章のまとめ

アナログ/ミックスドシグナル設計では、回路単体の特性だけでなく、周辺環境や配置構造との相互作用に留意することが重要です。
本章の各セクションで、AMS設計の全体像を俯瞰しつつ、構造的な視野を身につけてください。


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