本節では、sky130 や 0.18µm などのプロセス技術において用いられる
MOSトランジスタの基本寸法とその教育的意味について整理します。
プロセス | 実効ノード | 特徴 | 教材としての利点 |
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sky130 | 約130nm相当 | オープンPDK、PDモデル完備、MPW可能 | 無償で設計・評価が可能、実装可能性が高い |
0.18µm | 180nm | 商用PDK(TSMC, X-Fab等)、教育IPが豊富 | モデルが安定、設計自由度が高い |
📌 どちらも、FinFET以前のプレーナ型MOS構造であり、構造観察と設計が直感的に学べる。
項目 | sky130 | 0.18µm |
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最小ゲート長 $L_{\text{min}}$ | 約150nm | 約180nm |
推奨ゲート幅 $W$ | 数µm〜数10µm | 同左 |
LDD構造 | 対応(構造非公開) | 一般的に採用 |
教材では、W/L比の制御によるId特性の変化や、遅延・リークとの関係を体験的に学ぶことができる。
教材テーマ | 寸法との関係 |
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Id-Vg, Id-Vd カーブ測定 | W/L 比が gm や Vth に与える影響を確認 |
デジタル論理回路の遅延 | Lmin 短縮により遅延短縮 vs. リーク増加 |
アナログ回路のgm制御 | 幅Wを広げることでトランスコンダクタンス制御 |
バラつきと信頼性評価 | 小W・小Lでばらつき顕著に(Monte Carlo解析へ) |
次節では、これらの寸法要素を踏まえて、MOSトランジスタの
電気的な基本特性(Vth, gm, Id特性, サブスレッショルド挙動など)を定量的に理解します。
👉 4.2 MOSトランジスタの動作原理と特性 に進みます。