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1.4 MOSトランジスタのスイッチ動作モデル

本節では、MOS構造をベースにしたnMOS/pMOSトランジスタが、
論理回路においてどのようにスイッチ(ON/OFF)として機能するのかを、構造と電圧条件の観点から整理します。


🔹 nMOSトランジスタの動作原理

nMOSは、p型基板上に形成され、正のゲート電圧でn型チャネル(電子)を形成します。

図1.4-1:nMOSの断面構造とON/OFF状態
![図1.4-1 nMOS構造と動作](../images/nmos_switch.png)


🔹 pMOSトランジスタの動作原理

pMOSは、n型基板上に形成され、負のゲート電圧でp型チャネル(正孔)を形成します。

図1.4-2:pMOSの構造と動作状態
![図1.4-2 pMOS構造と動作](../images/pmos_switch.png)


🔹 スイッチモデルと論理回路への応用

nMOSとpMOSは、次のように論理スイッチとして抽象化できます:

種類 ゲート条件 ON時の接続 論理動作
nMOS High(”1”) ドレイン–ソースが導通(GND方向) “1”で導通
pMOS Low(”0”) ドレイン–ソースが導通(VDD方向) “0”で導通

図1.4-3:スイッチモデルとしてのMOS(記号・抽象図)
![図1.4-3 MOSスイッチモデル](../images/mos_switch_model.png)

このON/OFF制御とVDD/GND接続の組み合わせにより、インバータやNANDなどの論理回路が構成されます(1.5節以降で扱います)。


🔹 電気的特性の概略(導入のみ)

※本節では回路動作に焦点を置き、物理モデルは応用編で扱います。


✅ まとめ


📎 次節:1.5_cmos_inverter.md(CMOS構造と論理動作)