本節では、LSI回路の基本素子であるMOSトランジスタの基盤となるMOS構造(Metal-Oxide-Semiconductor)について解説します。
特に、電界によってチャネルが形成される仕組みを、構造断面・バンド図・電位変化を通して理解します。
MOS構造は、以下の3層からなります:
図1.3-1:MOS構造の断面図(nMOSを例に)

図1.3-2:VG変化に対するMOS表面の反応(空乏→反転)

MOS構造下では、電圧印加によりバンドが曲がります:
図1.3-3:MOS構造のバンド図と反転のイメージ

タイプ | 基板 | ゲート電圧 | チャネル | 主キャリア |
---|---|---|---|---|
nMOS | p型 | 正電圧 | n型(電子) | 電子 |
pMOS | n型 | 負電圧 | p型(正孔) | 正孔 |
CMOS構成では、nMOSとpMOSが対になって動作します(次節以降で解説)
📎 次節:1.4_mos_switch.md
(MOSトランジスタのスイッチ動作モデル)