前節では、n型およびp型半導体がドーピングによってキャリアの性質を制御できることを学びました。本節では、これらを接合したPN接合がどのような電気的特性を持つのかを、バンド構造と電位分布の視点から解説します。
図1.2-1:n型・p型それぞれのバンド図(接合前)

図1.2-2:空乏層と内部電位分布(内蔵電位)

図1.2-3:PN接合のバンド図(熱平衡時)

状態 | バイアス方向 | 空乏層の変化 | 電流の流れ |
---|---|---|---|
順方向 | p → nに電圧印加 | 空乏層が狭くなる | 電流が流れる(整流) |
逆方向 | n → pに電圧印加 | 空乏層が広がる | 電流はほとんど流れない |
図1.2-4:順方向/逆方向バイアス時のバンド図

理想ダイオード方程式:
$I = I_0 \left( e^{\frac{qV}{kT}} - 1 \right)$
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