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4. 次世代材料と構造:WBGを超える新展開とは?

本節では、SiC・GaNの次に来るとされる新しい半導体材料や構造技術を取り上げ、
それぞれの特徴、期待される用途、そして現時点での技術的課題について整理します。


🌟 注目の次世代材料・構造一覧

材料/構造 特徴 期待用途 技術課題
ダイヤモンドFET 極めて高い熱伝導性・耐電圧 宇宙・核融合・高放射線環境 結晶成長と製造コスト
垂直GaN(Vertical GaN) GaNを縦構造で使用、高耐圧・大電流 EV充電器、大型DC電源 複雑な製造工程
超高耐圧SiC(15kV+) 厚膜エピ成長・トレンチ構造による耐圧強化 送電システム、産業インフラ コストと信頼性
AlN(窒化アルミニウム) 広いバンドギャップ・高熱伝導 極限環境、パワーデバイス基板 デバイス化は未成熟
酸化ガリウム(β-Ga₂O₃) 非常に広いバンドギャップ・単結晶化可能 超高耐圧用途 熱伝導性が低い

🔬 ダイヤモンド半導体の実例


🧱 構造の進化:垂直GaN vs 横型GaN

比較項目 横型GaN(HEMT) 垂直GaN(Vertical FET)
構造 横方向チャネル 縦方向電流路
耐圧 数百V〜 1kV超まで可能
応用 RF・電源 EV・高電力変換

🧠 材料開発のジレンマ

「バンドギャップが広い ≒ 熱や電圧に強い」
だが同時に「加工・制御が難しい」「コストが高い」というトレードオフがある。


🔗 関連セクションとの接続


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📎 次節 5_ingan_laser.md では、InGaNレーザーとその応用
光半導体・青紫光・ディスプレイ/車載/通信用途と関連づけて解説します。