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5. InGaNレーザー:青・紫外光領域を支える光半導体技術

InGaN(窒化インジウムガリウム)は、青色・紫外光を発生可能な化合物半導体であり、
高輝度レーザーやディスプレイ、通信、自動車用途まで、幅広い応用に使われています。

本節では、InGaN系レーザーの物理的特性、デバイス構造、および応用領域について解説します。


🌈 InGaNレーザーの特徴

特徴 内容
発光波長の制御 Inの混合比により、青〜緑〜紫外まで波長調整可能
高輝度・高効率 青色LEDやLDで広く実用化済み
高耐圧・高信頼性 WBG特性により高温・高電流動作に適応
小型化 VCSELやマイクロレーザー構造で小型高密度が可能

📐 デバイス構造と動作原理(概略)

/images/ingan_mqw_structure.png に図版予定


🔧 応用分野と期待効果

応用領域 目的 特記事項
Blu-ray/HD光ディスク 高密度記録 405nmレーザーで実現
プロジェクタ/AR フルカラー小型化 青・緑・赤のRGB合成に貢献
車載LiDAR 高速距離計測 青レーザーによる分解能向上
医療機器 照射・切開・除菌 殺菌波長域で有効
光通信 高速伝送 短波長多値変調の可能性あり

🔬 技術課題と今後の展望

課題 解説
格子不整合 サファイア基板との歪み → 量子効率低下
温度特性 高温時の波長シフト・寿命低下
短波長化 UV方向への波長制御が技術的に困難(AlGaNとの競合)

📎 関連トピックと接続


🧩 本章のまとめ

InGaNレーザーは「波長可変」「高輝度」「WBG材料による高信頼性」を兼ね備えた光半導体であり、
ブルーレイ、プロジェクタ、車載LiDAR、光通信など幅広い分野に影響を与えています。


🔚 材料技術カテゴリ 完結

これにより、materials/ 以下の5章(1〜5)が完了しました。
他カテゴリとの接続を通じて、応用・地政学・投資などの視点から発展可能です。