本節では、入力–出力データに基づいて状態空間モデルを推定する手法、
サブスペース同定法(Subspace Identification)について解説します。
状態空間モデル:
\[\begin{aligned} x_{k+1} &= A x_k + B u_k \\ y_k &= C x_k + D u_k \end{aligned}\]入力 $u_k$、出力 $y_k$ の系列から、回帰行列やハンケル行列を構成し、
SVD を通じて内部状態の次元とモデル行列を抽出します。
項目 | 内容 |
---|---|
必要データ | 入力–出力系列 |
ノイズ耐性 | 高い(SVDにより安定) |
系の次数選定 | 自動・半自動で可能 |
拡張性 | MIMO, 時不変・時変系にも対応 |
実験では、Python + NumPy + SciPy により小規模系の識別を行います。
n4sid()
関数で広く利用されている手法pyN4SID
や control.matlab
相当の実装が必要サブスペース同定法は、モデルベース制御への橋渡しとして有効な識別法です。
次節では、こうしたデータ駆動手法と従来モデルの統合について考察します。
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