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🔄 01. モデルフリー制御とは?(Model-Free Control)

本節では、モデルフリー制御(Model-Free Control)の基本概念と背景を解説します。
これは、対象システムの数式モデルを事前に構築することなく、観測データに基づいて制御を行う手法です。


🎯 なぜモデルフリー制御なのか?


🔧 モデルフリー制御の分類

種類 特徴
経験則ベース 人工知能的な制御則の設計 Ziegler-Nichols, Fuzzy
データ駆動制御 データから動的モデルや制御器を学習 DMD, Koopman, サブスペース同定
強化学習制御 状態・報酬に基づき方策を学習 DDPG, PPO など

📐 基本構造

モデルフリー制御は、「入力 $u(t)$ と出力 $y(t)$ の観測対」に基づいて制御器を構築します:

ここで $\mathcal{F}$ はデータから構成される関数(NNや線形予測など)です。


📈 応用の流れ(概略)

  1. 実験またはシミュレーションからデータを収集
  2. 入力–出力系列を整形し、動的モデルを学習(回帰・識別など)
  3. 得られたモデルを用いて予測・制御則を構築
  4. 制御性能を検証し、再学習を繰り返す

🧠 制御への統合戦略


🧪 本教材で扱う代表例

手法 解説ファイル コード
Koopman演算子 02_koopman_operator.md koopman_linearization.py
動的モード分解(DMD) 03_dmd.md dmd_analysis.py
サブスペース同定法 04_subspace_id.md subspace_identification.py

🔚 まとめ

モデルフリー制御は、AIやビッグデータ時代において重要な選択肢の一つです。
以降の節では、より具体的なアルゴリズムと実装例を通じて、その適用方法を学びます。

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