【機械設計】🛠 04. Part Designを捨てずにコード設計を導入する ― FreeCADでの現実解
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🧭 はじめに
これまでの記事では、
- 設計をコードとして記述できること
- FreeCAD を使えば実際に形を生成できること
を見てきました。
ただ、多くの現場設計者は
ここでこう思うはずです。
「でも、実務は Part Design だよね?」
この記事では、その疑問に正面から答えます。
Part Design を捨てずに、
設計条件だけをコード側に逃がす。
これが、現場で壊れない
コード設計の現実解です。
🎯 今回やること
本記事で扱うのは、
「設計の役割分担」を明確にする方法です。
- 設計条件(寸法・判断)を コードで定義
- FreeCAD の Spreadsheet に反映
- Part Design(Sketch / Pad)は 従来通り GUI
- 寸法変更は Spreadsheet だけで完結
すべてをコードで描く話ではありません。
🧩 完成状態の全体像
まずは完成状態の全体像です。

Params:設計条件(上流)Body:Part Design による形状(下流)
設計の本体は Params 側 にあり、
形状はその結果として生成されています。
📊 設計条件は Spreadsheet に集約する
設計の本体は、
Sketch や Pad ではありません。
それを明確にするのが、
Spreadsheet です。

LEN = 120.00 mm
WID = 40.00 mm
THK = 8.00 mm
- 意味のある変数名
- 単位付きの値
- ここだけを変更すれば設計が変わる
この状態を作ることが目的です。
🧪 コードの役割は「準備」だけ
この構成において、
コードが担う役割は最小限です。
- Spreadsheet を生成する
- 設計パラメータを書き込む
- Sketch や Pad の寸法拘束を 式でリンク する
形状そのものは、
一切コードで描きません。
🧠 なぜこの構成が現実的なのか
Part Design を否定していない
- Sketch の拘束設計
- フィーチャ履歴
- 図面化・後工程との親和性
これらは、
現場で使われ続けている理由があります。
それでも設計条件は GUI に埋めない
一方で、
- なぜこの寸法なのか
- どこを変えると何が変わるのか
- 設計判断の根拠
これらを Sketch の中に閉じ込めると、
後から追えなくなります。
設計条件は、
独立して読める場所に置く必要があります。
🧱 役割分担をはっきりさせる
このアプローチの本質は、
「全部をコードにする」ことではありません。
| 役割 | 担当 |
|---|---|
| 設計条件・判断 | コード / Spreadsheet |
| 形状生成 | Part Design(GUI) |
| 視覚確認 | CADビュー |
全部をコードにしない。
全部を GUI に任せない。
この分業が、
実務で壊れない理由です。
🔁 実際の使い方
日常の運用は、非常にシンプルです。
Params(Spreadsheet)を開く- 数値を変更する
- 再計算する
- 形状が自動で追従する
Sketch や Pad を
触る必要はありません。
🧭 03 との違い
- 03:
コードだけで形状を生成(思想の実証) - 04:
コードと GUI の役割分担(実務への接続)
04 は、
現場に置ける形にした回です。
🏁 おわりに
コード設計は、
GUI CAD を置き換えるためのものではありません。
設計条件と設計判断を、
再利用可能な形で残すための方法です。
Part Design を使い続けながら、
上流だけをコード化する。
これが、
無理なく始められる
Full Code Mechanical Design の現実解です。
次回は、
この設計を Git でどう管理するか、
差分・再設計・引き継ぎの話に進みます。
📎 補足
本記事は、
設計条件と形状生成の役割分担を理解することを
目的としています。
FreeCAD の Spreadsheet や
Part Design の詳細仕様については、
公式ドキュメントをご参照ください。
※ 本記事は特定の製品・ライセンスの利用を
制限・推奨するものではありません。