【機械設計】🛠 01. GUI CADから脱却して設計をコード化するという考え方
topics: [“機械設計”, “cad”, “python”, “設計思想”]
📌 はじめに
機械設計の多くは GUI CAD を使って行われていますが、
「この設計をもう一度作れと言われたら面倒だな」
と感じたことはないでしょうか。
設計を再利用可能な資産として扱おうとすると、
GUI 操作だけに依存した設計には限界があります。
そこで本記事では、
GUI 操作ではなく コードとして設計を記述する
という考え方を紹介します。
この設計思想を
Full Code Mechanical Design と呼びます。
⚠ GUI CAD の限界
GUI CAD は形状を作るには非常に便利です。
一方で、設計意図や判断理由が残りにくいという側面もあります。
例えば、
- なぜその寸法なのか
- どの条件が変わると形状が変わるのか
- 別の設計に流用できるのか
といった情報は、
操作履歴やフィーチャツリーの中に埋もれがちです。
結果として、設計は
「その場限りの成果物」 になりやすく、
再利用や自動化が難しくなります。
💡 設計をコードで書くという発想
設計をコードで書く、というと
「CAD を捨てるのか?」と思われるかもしれません。
しかし、ここで言うコード化とは、
CAD を否定することではありません。
- 設計を パラメータ として定義する
- 設計判断を 条件分岐 として表現する
- 設計ルールを 関数や構造 として残す
ということです。
形状そのものではなく、
形状が生成されるルールを記述する
という発想になります。
🧠 Full Code Mechanical Design とは
Full Code Mechanical Design では、
- 図面や GUI 操作を最終成果物にしない
- 設計の本体は「コード」と考える
- CAD は結果の可視化・確認に使う
という役割分担を取ります。
コードには、
- 寸法の依存関係
- 制約条件
- 設計意図
がそのまま残ります。
そのため、
「なぜこの形状になっているのか」を
後から追うことができます。
🔍 GUI 操作とコード設計の違い
GUI CAD とコード設計の違いを簡単に整理すると、
次のようになります。
| 観点 | GUI CAD | コード設計 |
|---|---|---|
| 再現性 | 人依存 | 高い |
| 差分管理 | 困難 | Git 等で可能 |
| 設計意図 | 残りにくい | 明示的 |
| 再利用 | 手作業 | パラメータ変更 |
特に「差分が取れる」という点は、
設計レビューや長期運用において
大きな意味を持ちます。
🎯 どんな人に向いているか
この考え方は、
すべての設計者に向いているわけではありません。
特に向いているのは、
- 設計を何度も作り直す人
- 類似形状を量産する人
- 設計ルールを共有・教育したい人
- Python などのコードに抵抗がない人
です。
一方、単発・一品ものの設計では、
GUI CAD の方が速い場合もあります。
🪜 小さく始めるコツ
最初からすべてをコード化する必要はありません。
- 寸法計算だけをコードにする
- パラメータ表をコードで管理する
- 形状生成の一部だけを自動化する
といった形で、
GUI CAD と併用しながら始めるのが現実的です。
📝 おわりに
設計をコードで書くという考え方は、
単なる効率化のための手法ではありません。
設計を
「その場限りの作業」から
再利用可能な知識資産へ変える
ための方法です。
GUI CAD を否定するのではなく、
その限界を補う手段として、
コード設計という選択肢を持っておく。
それだけで、
設計の自由度は大きく広がります。
📎 補足
本記事は、
設計をコード化するという考え方の整理を目的としています。
実装例や具体的な設計コード、
ライセンスの扱いについては、
以下のページで管理しています。