topics: [“semiconductor”, “openlane”, “pdk”, “gf180”, “vlsi”, “mixed-signal”, “high-voltage”, “layout”]
GF180MCU Open PDK は OpenLane(OpenPDK 前提フロー)に非対応であり、
自動合成 → P&R → GDS 生成は成立しない。
これは推測ではなく、実環境での検証結果である。
そして本検証の結果として、
本プロジェクトは 自動デジタルフローを放棄し、
高耐圧 MOS(HVMOS)を中心としたレイアウト主導設計へ移行した。
GF180MCU は、高電圧デバイスや mixed-signal 設計に適した
Open PDK として公開されている。
インクジェット・プリントヘッドドライバのような
HV + mixed-signal 回路との親和性も高く、
「OpenLane で GDS まで行けるのでは?」
という仮説を立て、実機環境で検証を行った。
OpenLane 実行時、prep 段階で必ず以下のエラーが発生した。
couldn't read file
.../libs.tech/openlane/config.tcl
OpenLane は OpenPDK 形式を前提としており、
以下のディレクトリ構造を必須とする。
libs.tech/openlane/config.tcl
しかし、GF180MCU Open PDK にはこの構造が存在しない。
これは単なる設定不足ではなく、
PDK 設計思想そのものの違いによる。
| 項目 | Sky130 | GF180MCU |
|---|---|---|
| OpenLane公式対応 | ✔ | ✘ |
| OpenPDK構造 | ✔ | ✘ |
| 自動GDS生成 | ✔ | ✘ |
| HV / Mixed-signal適性 | △ | ✔ |
つまり、
GF180MCU が使えないのではなく、
OpenLane の前提と噛み合っていない
という結論になる。
本検証で確定した事実は以下。
これは設計判断として 極めて重要な境界線であり、
資料だけでは分からない点を 実機で確定させた。
自動フローを諦めた後、本プロジェクトでは次の段階に進んだ。
その結果、
高耐圧 MOS スイッチ単位(HV_SW_UNIT)の GDS を実際に生成するに至った。
以下は、本プロジェクトで生成した
GF180MCU ベース高耐圧 MOS スイッチユニット(HV_SW_UNIT)の GDSである。

この時点で、
「OpenLane で GDS が出なかった」
ではなく
「適切な設計手法を選び直した結果、
実GDSに到達した」
という状態になっている。
「HV mixed-signal × 自動デジタルフロー」は基本的に交わらない
本検証およびその後のレイアウト成果は、
以下の技術探索プロジェクトの一部である。
GitHub Repository
https://github.com/Samizo-AITL/gf180-inkjet-driver
GitHub Pages(設計ドキュメント)
https://samizo-aitl.github.io/gf180-inkjet-driver/
Design Docs(GDS / Layout中心)
https://samizo-aitl.github.io/gf180-inkjet-driver/docs/
GF180MCU × OpenLane は成立しない。
これは失敗ではなく、設計フロー選定における重要な検証結果である。
GF180MCU は
「自動化のためのPDK」ではなく、
“人がレイアウトする前提”の PDKである。
そして、その前提に立てば、
HVMOS を中心とした実GDSに到達できることも、
本検証で示された。
同様の誤解で時間を消費する設計者が
一人でも減ることを願っている。