topics: pid,fsm,制御工学,信頼性設計,システム設計
―― AITL B-Type 制御・最終整理
本シリーズでは、PID制御・FSM・信頼性制御・経年劣化というテーマを通じて、
「何を自動化し、何を人が決めるべきか」を段階的に整理してきた。
結論は、驚くほどシンプルである。
PIDは主制御、FSMは判断、
ゲインは人が決める。
これで、信頼性制御は完結する。
PIDは古典的で、学術的には目新しくない。
しかし現場では、次の点で今なお最強である。
特に重要なのは 「説明可能性」 だ。
現場では
「なぜその挙動になったのか」
を説明できない制御は、採用されない。
PIDはその点で、今も最適解である。
FSMを使うと、ついこう考えがちになる。
しかし本シリーズで示した通り、
FSMが積極的に制御を始めると、システムは壊れやすくなる。
FSMの正しい役割は、これだけだ。
「今は通常状態か、それとも逸脱したか」を判断すること。
FSMは
判断だけを行う監督層である。
本シリーズでは「10%」という数字が何度も登場した。
しかし重要なのは、その値ではない。
重要なのは、
である。
閾値は、
よい。
それは 対象・用途・安全要求に応じて技術者が決める設計パラメータだ。
本設計は「10%制御」を提案しているのではない。
「閾値を設計で定義する」という考え方を示している。
劣化が進んだとき、
「その場で最適ゲインを計算する」
という発想は、一見スマートに見える。
しかし現場では、これは危険だ。
そこで B-Type 制御では、次を原則とする。
ゲインはオフラインで設計・検証・承認する。
運転中に計算しない。
FSMが行うのは、
「承認済みゲイン資産を適用するかどうか」の判断だけである。
LLM(大規模言語モデル)は強力だ。
だが、制御系に直接組み込む必要はない。
本設計における LLM の役割は、次の範囲に限定される。
最終判断は、必ず 技術者 が行う。
LLMは提案者であって、決定者ではない。
この線引きがあることで、
設計は初めて「現場で使えるもの」になる。
正直に言えば、この設計は
学術的に最先端ではない。
だが、現場ではこれが強い。
これは欠点ではない。
論文に強い設計と、現場に強い設計は別物である。
本シリーズは、明確に 後者 を選んだ。
これ以上、
だから、ここで止める。
PIDが制御し、
FSMが判断し、
人が設計する。
この三層構造で、
信頼性制御は十分に成立する。
本記事は「唯一の正解」を示すものではない。
しかし、こうは言える。
これは、現場で最後まで使い切れる設計の終点である。
これ以上足さなくてもよい。
これ以上削らなくてもよい。
設計とは、
どこで終わらせるかを決める行為でもある。
ここが、その終点だ。
End of Final Article