【半導体】🔬 22. 不良解析(FA)とは何を決める仕事なのか
― 観察ではなく、是正対象を確定するための技術
topics: [“半導体”, “不良解析”, “FA”, “OBIRCH”, “品質”]
🧭 はじめに
不良解析(FA: Failure Analysis)は、
単に「壊れた理由を調べる作業」ではありません。
FA の目的は明確です。
観測された不良が、工程起因か設計起因かを特定し、
是正対象を確定すること
本記事では、
- FA が果たす役割
- なぜ OBIRCH が主流の解析手法であるのか
- なぜ解析を途中で止めてはならないのか
を、量産品質ループの最終工程という観点から整理します。
🔬 FAの定義と役割
FA は、
- ETEST
- ウエハテスト(WAT)
- 信頼性試験
などで検出された 不良結果 を入力とし、
その 物理的原因を断定する工程です。
FA の最終目的は、
再発防止のための是正アクションを決定すること
にあります。
ここで言う是正アクションとは、
- 製造工程条件の修正
- 装置・材料の是正
- 設計ルールやモデルの修正
のいずれに戻すかを 明確に決めることを意味します。
🔦 なぜ OBIRCH が用いられるのか
リーク電流や微小ショートは、
レイアウトや断面構造を観察しただけでは特定できません。
OBIRCH(Optical Beam Induced Resistance Change)は、
- 通電状態を維持したまま
- 赤外レーザを局所照射し
- 抵抗変化や発熱を検出する
手法です。
これにより、
- 実際に電流が流れている箇所
- 不良が発現している座標
を 動作状態のまま可視化できます。
FA において重要なのは、
不良が「起きている状態」を直接捉えること
であり、この点で OBIRCH は極めて有効です。
🧪 不良解析は段階的に行う
FA は単一手法で完結するものではありません。
一般的には、以下のような 段階的な解析フローが取られます。
- OBIRCH による不良位置の特定
- 剥離解析による不良層の特定
- SEM による表面・構造観察
- FIB による局所断面加工
- EDX による元素組成分析
各段階で得られた情報を積み上げることで、
原因の候補を一つずつ排除し、断定に至ることができます。
解析を途中で止めた場合、
- 推測による結論
- 誤った是正
- 不良の再発
につながるリスクがあります。
🖼 不良解析(FA)全体像(OBIRCHを中心とした解析フロー)

図:Failure Analysis(FA)における役割と、OBIRCHを起点とした段階的解析フロー
不良が 工程是正 か 設計是正 のどちらに戻るべきかを判断することが最終ゴール
🧠 FAの成果物とは何か
FA の成果物は、
- 顕微鏡写真
- 解析レポート
そのものではありません。
FA の最終成果物は、
工程是正か、設計是正かという判断結果
です。
この判断が量産工程にフィードバックされることで、
品質ループが閉じ、再発防止が実現されます。
📝 まとめ
- FA は不良現象の原因を物理的に断定する工程である
- 目的は観察ではなく、是正対象の確定である
- OBIRCH は動作状態で不良を可視化できる有効な手法である
- FA は品質ループにおける最終判断点である
🌐 公式リンク(Edusemi-v4x)
- 📂 Chapter 6 Test & Package(公式)
https://samizo-aitl.github.io/Edusemi-v4x/chapter6_test_and_package/