topics: [“半導体”, “PSRAM”, “DRAM”, “信頼性”, “歩留まり”]
前稿では、PSRAM が
という 構造と前提 の上に成り立っていたことを整理した。
本稿では、その前提のもとで
実際に何が起きたのか、
そして どのような判断が下されたのか を記録する。
PSRAM で問題となった故障は、
大きく分けて二つだった。
どちらも DRAM では既知の現象だが、
PSRAM では 使用条件によって同時に現れる 点が決定的に異なっていた。
PSRAM では、
という条件が重なりやすい。
その結果、
DRAMでは顕在化しなかったリークが、
そのまま保持失敗として現れる
という状況が生まれた。
これは、
ではない。
0.25µm DRAM で既に観測されていた
Pause Refresh 異常と同根 だった。
もう一つの問題が Disturb である。
PSRAM では、
という 使用パターン が日常的に発生する。
このとき、
が同一チップ内に共存する。
ここで、PSRAM における Disturb を理解するための
デバイス断面の物理像を示す。
図1:PSRAM(DRAMセル流用)における Disturb 発生時のリーク・電界集中断面(概念図)
この図が示しているのは、
といった 既知の物理効果である。
Disturb は、
単発で壊す現象ではなく、
微小な劣化を時間的に蓄積する現象
として働く。
重要なのは、
Pause と Disturb は単独では致命的でなかった ことだ。
では、
保証条件内では Fail は抑えられていた。
問題は、
両者が時間軸で結合したとき
である。
この連鎖で、
Fail は 境界的に 増加した。
PSRAM の Fail 挙動は、
温度境界を越えた瞬間に変質した。
Fail は、
のではない。
ある条件を越えた瞬間に現れる
という 境界現象 だった。
量産は止められなかった。
そのため、
短期で可能な対策 が取られた。
これにより、
まで改善した。
ただし、次の点は変わらなかった。
これは、
ではない。
構造的な限界だった。
最終的に下された判断は明確だった。
技術的に成立しても、
長期に拡張できないものは続けない
このため、
PSRAM 路線からの撤退
が選択された。
PSRAM は、
Pause × Disturb × 温度という
既知の物理が、
使われ方によって結合した結果 が
限界を作った。
これは、
ではなく、
前提条件が許容できる範囲を越えた
という記録である。
Legacy Technology Archive
https://samizo-aitl.github.io/Edusemi-Plus/archive/legacy/
PSRAM (2001) ケース
https://samizo-aitl.github.io/Edusemi-Plus/archive/legacy/psram_2001/
Pause / Disturb in PSRAM
https://samizo-aitl.github.io/Edusemi-Plus/archive/legacy/psram_2001/pause_disturb_psram/
Yield Recovery
https://samizo-aitl.github.io/Edusemi-Plus/archive/legacy/psram_2001/yield_recovery/
以上で 全5本。