topics: [“FinFET”, “MOSFET”, “デバイス構造”]
Planar MOSFET の微細化は、
Short Channel Effect(SCE)による電界制御限界によって行き詰まりました。
この問題に対して導入されたのが FinFET です。
重要なのは、FinFET が
「3次元化による高集積化」を目的とした構造ではなく、
ゲートによるチャネル包囲率を高め、
電界制御力を取り戻すための構造
として生まれた点です。
FinFET の最大の特徴は、
チャネルが平面(Planar)から 垂直なフィン形状に変わったことです。
これにより、
できるようになります。
結果として、
ゲート電界がチャネルを 三方向から包み込む 形になり、
ドレイン電界の影響を大幅に抑制できます。
Planar MOSFET と FinFET の違いを整理すると以下の通りです。
ここで初めて、
電気特性が、プロセスではなく「構造」によって直接改善される
段階に入りました。
SCE の本質は、
ゲート以外の電極(主にドレイン)が
チャネルポテンシャルを支配すること
でした。
FinFET では、
という効果が得られます。
これは単なる数値改善ではなく、
電界の主導権をドレインからゲートへ取り戻した
と表現できます。
FinFET によって可能になったのは、
です。
つまり、
FinFET はスケーリングを「進めた」のではなく、
破綻していたスケーリングを成立させ直した
構造だと言えます。
FinFET 世代以降、
デバイス設計の主戦場は明確に変わりました。
ここで初めて、
「幾何形状=電気特性」
という時代に入ったと言えます。
ただし、FinFET も万能ではありません。
この延長線上にあるのが、
です。
FinFET は、
Planar MOSFET の限界を延命した技術ではなく、
物理に即した、正しい次の一手
だったと言えるでしょう。
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