901.【設計】送電線・鉄塔点検ドローンSkyEdge:差別化を仕様で固定する

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送電線・鉄塔点検ドローン SkyEdge

🧭 差別化を「思想」ではなく「仕様」で固定する

ドローンによる送電線・鉄塔点検は、すでに珍しい技術ではありません。
多くの機体が「高解像カメラ」「AI検出」「自動飛行」を謳っています。

しかし現場では、次の問いが必ず残ります。

それは点検として“成立”しているのか?

本記事では、空想設計ドローン SkyEdge を例に、
差別化ポイントを曖昧な思想ではなく、数値仕様として固定する方法を示します。


❓ 1. なぜ「撮れるドローン」は差別化できないのか

既存の送電線点検ドローンの多くは、価値を以下に置いています。

しかし点検業務において本当に求められているのは、

です。

動画が綺麗でも、前回と比較できなければ点検になりません。

SkyEdge は、この一点に差別化軸を置きます。


🎯 2. 差別化①:再現性を数値で保証する

再現飛行・撮影幾何仕様

項目 仕様
位置再現誤差 ≤ ±0.5 m
姿勢再現誤差 ≤ ±0.3°(roll / pitch / yaw)
撮影距離 5–30 m(自動保持)
撮影角度ばらつき ≤ ±2°
再訪前提 月次〜年次差分

「ほぼ同じ画角で撮れる」ことを仕様として保証することで、
前回との差分比較が成立します。


📐 3. 差別化②:CMOSを“測れるセンサ”として定義する

可視CMOS(主カメラ)

項目 仕様
解像度 20–24 MP
シャッタ グローバルシャッタ(必須)
センササイズ 1インチ級
レンズ歪み ≤ 1%(校正前提)
フレームレート 10–20 fps
被写体分解能 ≤ 0.5 mm @ 10 m
同期 IMU・距離とHWタイムスタンプ同期

ここで重要なのは、「高画質」ではなく
欠陥寸法が推定できる画像であることです。


🌡️ 4. 差別化③:IRは“裏取り専用”に限定する

熱赤外(IR)

項目 仕様
解像度 640×480
温度分解能 ≤ 0.05 ℃
観測距離 5–25 m
動作 Duty制御(常時ON不可)
役割 接続部・クランプの異常発熱確認

IRを主役にしないことで、

を避け、点検報告として通る証拠を残します。


⏱️ 5. 差別化④:全センサの時刻同期を前提にする

項目 仕様
時刻同期精度 ≤ 1 ms
ログ単位 フレーム単位
データ構成 可視 / IR / IMU / 距離の完全同期

SkyEdgeでは
「AIが異常と言った」ではなく「前回との差がこれだけある」
という説明を最終アウトプットにします。


🧠⚡ 6. 半導体構成で差別化を裏付ける

65nm FDSOI(知能・画像)

消費電力


0.35µm LDMOS(駆動・電源・AMS)

「壊れない」「暴走しない」を回路で保証する役割です。


🔋 7. 自己発電の位置づけを明確に切る

項目 仕様
平均発電 10–100 mW
用途 待機監視・準備・安全余裕
飛行電力 使用しない
蓄電 スーパーキャパ+二次電池

自己発電は「飛ぶため」ではなく、
稼働率と安全性を上げるための設計要素です。


📊 8. 差別化KPI(点検としての成立条件)

AI精度○%ではなく、点検として成立する確率を指標にします。


🧩 9. まとめ

SkyEdge の差別化は、特別なAIや派手な飛行性能ではありません。

送電線を「撮る」のではなく、
劣化を「同じ条件で測り続ける」こと。

その思想を、すべて 数値仕様として固定しました。

これが、インフラ点検で真正面から戦わずに勝つ方法です。


※ 本記事は空想設計を含みますが、
 各仕様は実際の点検業務・半導体設計を前提に構成しています。