26. LLMを外側に置くとなぜ安定するのか ― 壊れない構造の作り方
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🧭 はじめに
前回の記事では、
LLMを制御や判断のループに入れるとなぜ壊れるかを整理した。
では次の問いはこれだ。
LLMを「外側」に置くと、なぜシステムは安定するのか?
答えは精神論ではない。
構造の問題だ。
この記事では、
- 壊れない配置とは何か
- なぜ「層」を分けると安定するのか
- LLMをどこまで使ってよいのか
を、構造(Mermaid)で可視化する。
🎯 壊れない基本構造
まず、結論となる構造を先に出す。
flowchart TD
subgraph Core[実行・制御層]
S[入力] --> C[制御・判断]
C --> A[出力]
A --> S
end
subgraph Outer[外側支援層]
S --> L[LLM]
L --> P[説明・提案]
P --> C
end
この構造のポイントは明確だ。
- 制御ループは閉じている
- LLMはループの外にある
- LLMは結果を「変えない」
🧱 なぜ層を分けると安定するのか
① 役割が混ざらない
flowchart TD
L[LLM] -->|提案| C[制御]
C -->|実行| A[出力]
- LLM:言語・曖昧さ・整理
- 制御:状態・判断・実行
やるべき仕事が重ならない。
これだけで暴走要因が消える。
② 正しさの責任が明確
flowchart TD
L[LLM] --> P[案]
P --> H[人間 or ルール]
H --> D[決定]
- LLMは責任を持たない
- 決定は必ず別の層が行う
つまり、
LLMは「責任のない知能」
責任を持たせないから、安全になる。
③ 時間軸が分離される
flowchart TD
Fast[高速ループ] --> C[制御]
Slow[低速・非同期] --> L[LLM]
- 制御:リアルタイム
- LLM:非同期・低速
時間スケールを分けることで、
- 遅延
- ばらつき
- 不確定性
が制御に侵入しない。
🛠 LLMが「最大効率」で効く位置
LLMを外側に置くと、
次の仕事を安心して任せられる。
- 📝 ログの要約・説明
- 🔍 異常原因の候補列挙
- 🧩 ルール・設計の下書き
- 📄 人間向けの解説生成
共通点は一つ。
失敗しても、即システムは壊れない
🚫 あえてやらせないこと
構造が分かると、
「やらせないこと」もはっきりする。
・最終判断
・実行トリガ
・安全判定
・リアルタイム制御
ここを渡した瞬間、
再び壊れる。
🧠 人間の位置づけ
flowchart TD
L[LLM] --> H[人間]
H --> C[制御・決定]
人間は、
- 全部を考えない
- でも最後は決める
LLMは思考の外注先
人間は責任の最終地点
この役割分担が一番現実的だ。
✅ まとめ
壊れる構造:
LLM → 判断 → 実行
壊れない構造:
制御 → 実行
↑
LLM(提案のみ)
LLMは強力だが、
置き場所を間違えると毒になる。
LLMを賢く使うとは、
能力を信じることではない。
構造を疑うことだ。
📌 シリーズまとめ
- 24:LLMの正体(変換器)
- 25:壊れる構造(制御に入れるな)
- 26:壊れない構造(外側に置け)
ここまで理解できれば、
LLMは「怖いもの」ではなく
設計可能な道具になる。