22.【生成AI実験】寺院建築で検証する|画像生成プロンプト指示語10パターン比較
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🎯 はじめに
前回は「京都の風景」をテーマに、
画像生成プロンプトにおける指示語の違いが、出力結果にどのような差を生むかを検証した。
本記事ではその続編として、
テーマを 「寺院建築(Temple Architecture)」 に固定し、
同様の手法で比較実験を行う。
風景と異なり、建築は
- 形状
- 構造
- 様式
- 制約条件
が明確であるため、
プロンプト指示がより「設計入力」に近い形で効いてくる。
🎯 本記事は、雰囲気ではなく「構造の効き方」を観測する実験である。
🧠 なぜ「寺院建築」を選んだか
寺院建築は、画像生成実験の題材として非常に優れている。
- 🏯 構造が定型化されている(屋根・柱・軸線)
- ⏳ 時代・様式の差が明確
- 🧱 抽象化しても完全には崩れにくい
つまり、
曖昧な指示と、厳密な指示の差が露骨に可視化される
という特徴を持つ。
前回の「風景」が
雰囲気寄りの実験だとすれば、
今回は 構造・設計寄りの実験である。
🔬 実験条件(固定ルール)
以下の条件をすべて固定する。
- テーマ語:Japanese temple architecture
- 1回の実験で変える要素:1つのみ
- モデル:DALL·E / Stable Diffusion / Midjourney など(特定しない)
- 観測対象:
- 構造の明瞭さ
- 様式の一貫性
- 抽象化の度合い
- 演出(光・構図)
🔬 「何が効いたのか」を特定できるよう、変数を最小化する。
⚙️ ベースプロンプト(共通)
以下を共通ベースとし、
各実験では差分のみを変更する。
Japanese temple architecture,
wooden structure,
clean composition,
natural lighting,
no text, no logo, no watermark
⚙️ ここでは完成度よりも、差分の観測性を優先する。
🔬「寺院建築」固定・10パターン実験表
| No. | 変更点 | プロンプト差分 | 主な変化 | 観測ポイント |
|---|---|---|---|---|
| 1 | 名詞 | photograph of Japanese temple architecture |
実写寄り | 実在寺院への吸着 |
| 2 | 名詞 | illustration of Japanese temple architecture |
図像化 | 構図と配色の整理 |
| 3 | 抽象度 | abstract visualization of temple architecture |
形状の簡略化 | 構造の保持限界 |
| 4 | 具体性 | realistic wooden temple structure |
構造強調 | 柱・梁の明確化 |
| 5 | 感情語 | calm and quiet temple architecture |
静的 | 彩度・演出低下 |
| 6 | 感情語 | dramatic temple architecture |
演出的 | 光・陰影の強調 |
| 7 | 時代 | Edo period Japanese temple architecture |
様式固定 | 写実より時代優先 |
| 8 | 現代 | modern reinterpretation of temple architecture |
再解釈 | 材料・形の変化 |
| 9 | 視点 | aerial view of temple complex |
俯瞰構成 | 配置・軸線 |
| 10 | 視点 | interior view of temple hall |
内部空間 | 柱配置・奥行き |
🔬 生成結果の比較(10パターン)

図1:寺院建築をテーマに、
指示語のみを変更した10パターンの生成結果
🧠 観測結果の整理
① 建築では「構造語」が最優先で効く
architecturestructurewooden
といった語は、
風景よりも はるかに強く出力を拘束する。
👉 建築テーマでは、
名詞の精度=構造精度。
② 抽象化しても構造は完全には崩れない
abstract visualization を指定しても、
- 屋根の重なり
- 垂直・水平の関係
- 対称性
はある程度保持される。
🧠 寺院建築は
構造的に「強い対象」である。
③ 感情語は「装飾レイヤ」に作用する
- calm
→ 彩度低下、均一照明 - dramatic
→ 逆光、強コントラスト
建築そのものよりも、
光・空・周辺要素に影響が出る。
⚠️ ④ 時代指定は様式を完全に上書きする
Edo period のような指定は、
- 建築形式
- 装飾
- 色彩
を一気に固定する。
⚠️ 非常に強力だが、他の指示を上書きしやすい。
⑤ 視点指定は「理解の仕方」を変える
- aerial view
→ 配置・伽藍構成の理解 - interior view
→ 柱割・スケール感の理解
👉 何を理解させたいかで視点を選ぶべき。
⚙️ 実運用への示唆
- 🧱 建築ビジュアル生成
→ 材料・構造語を最初に置く - ⏳ 様式を揃えたい場合
→ 時代指定を最優先 - 📘 説明用途
→ 視点指定が最重要
✅ まとめ
- 建築テーマでは、プロンプトはほぼ「設計条件」
- 抽象語はあっても、構造は簡単には壊れない
- 風景よりも 論理的な差分観測が可能
「風景 → 建築」と進めることで、
画像生成プロンプトの理解は一段深まる。
以上。