Inkjet

3Dプリンティング技術の分類とインクジェット方式の位置付け

本ドキュメントでは、ASTM規格に基づく3Dプリンティング技術（AM技術）の公式分類と、インクジェット方式が関与する主な技術を整理します。
方式ごとの原理・材料・代表用途を対応させ、InkjetとAdditive Manufacturingの接点を明確にします。

🧭 1. ASTM分類とインクジェット対応マップ

ASTM分類名 技術概要 インクジェットとの関係
1. Material Extrusion 熱溶融フィラメント押出（FDM） 関連なし
2. Vat Photopolymerization レジン槽＋UV照射（SLA、DLP） 間接的（UV硬化材料関連）
3. Powder Bed Fusion 粉体層＋レーザー／電子ビーム（SLS、SLM） 関連なし
4. Binder Jetting 粉末にバインダ液をインクジェットで選択吐出 ✅ 直接関与（ピエゾ）
5. Material Jetting UV硬化樹脂などをインクジェットで直接積層 ✅ 直接関与（UV-PJなど）
6. Directed Energy Deposition 金属ワイヤ＋レーザー加熱同時供給 関連なし
7. Sheet Lamination 接着層＋積層切削 関連なし

🧪 2. 各方式の技術比較

方式名 使用材料 硬化／固化方法 解像度 備考
Binder Jetting 粉体＋接着液 焼結（後処理） 100μm〜 金属／セラミック対応
Material Jetting UV樹脂／ワックス UV照射 or 加熱 16〜50μm 多色対応／滑らかな表面
Inkjet BioPrinting 生体細胞懸濁液 自己組織化／ゲル化等 50〜200μm バイオ医療研究に応用

🖨 3. インクジェット構成における位置付け

graph TD
  A[Inkjet Printing Technology] --> B[Material Jetting]
  A --> C[Binder Jetting]
  B --> D[UV Resin, Wax, Nanoinks]
  C --> E[Adhesive to Powder Bed]
  D --> F[Dental Models, Electronics]
  E --> G[Metal, Ceramic Structures]

📌 4. 代表的装置例と応用用途

メーカー・製品例 方式 応用分野
Stratasys PolyJet Material Jetting 工業試作、マルチマテリアル、歯科模型
HP Jet Fusion (MJF) Binder Jetting + 熱融合 工業部品、筐体、軽量構造
Desktop Metal Studio Binder Jetting 金属造形、試作、少量生産
3D Systems Projet Material Jetting デザインモデル、精密プロトタイプ
Organovo ExVive Bio Jetting 組織工学、再生医療

📚 参考文献