📘 Appendix 2.2:先端パッケージを支える材料技術
本補足資料では、2.5D/3Dパッケージ技術において用いられる主要な材料群の種類と役割を解説します。材料選定は、熱特性・信号伝送・信頼性に直結する極めて重要な要素です。
🧱 基板・インターポーザ材料
材料 |
用途 |
特徴 |
Siインターポーザ |
配線層の高密度化 |
CTE小、配線微細化可能、コスト高 |
有機基板(ABF等) |
パッケージ基板 |
樹脂系、低コスト、大型対応、熱・寸法安定性に課題 |
ガラス基板 |
次世代基板候補 |
超平坦、高周波特性良好、割れやすい |
⚙️ 配線・導体材料
材料 |
用途 |
特徴 |
銅(Cu) |
配線、TSV、バンプ |
高導電率、酸化対策要(キャップ層) |
金(Au) |
ワイヤボンド、バンプ |
化学安定性、コスト高 |
アルミ(Al) |
ワイヤ、パッド |
旧世代中心、酸化しやすい |
ニッケル(Ni) |
UBM、バリア層 |
拡散防止、硬度高、はんだ濡れ性良好 |
SnAgはんだ |
μ-bumpなど |
Pbフリー、融点227°C、熱疲労に注意 |
🧪 絶縁・封止材料
材料 |
用途 |
特徴 |
SiO₂ |
配線絶縁、TSV絶縁 |
高絶縁性、熱伝導率中程度 |
SiCN/SiN |
キャップ、拡散防止 |
高密着性、バリア性、応力注意 |
ポリイミド(PI) |
RDL層の絶縁 |
柔軟性あり、誘電率低、湿気吸収に注意 |
エポキシ樹脂 |
モールド封止 |
成形性良好、コスト低、熱伝導性低め |
❄️ 熱対策材料
材料 |
用途 |
特徴 |
サーマルビア(Cu-TSV) |
熱拡散 |
高熱伝導率、構造設計が鍵 |
TIM(Thermal Interface Material) |
チップとヒートシンク間 |
グリース、ゲル、硬化型など多様なタイプ |
ヒートスプレッダ |
パッケージ上部 |
メタル(Al, Cu)製で熱拡散、機械保護も兼ねる |
📌 まとめ
材料選定はパッケージングの性能・信頼性・コストに直結するため、設計初期からの材料戦略が必要です。特にチップレット設計では、異種材料の熱膨張差や界面信頼性の評価が重要となります。