本節では、OpenLaneによって物理設計されたPoCブロック(FSM, MUX, Adder)について、実際に生成されたレイアウトやレポートを確認し、設計結果の妥当性と改善ポイントを考察します。
GDSファイルは、レイアウトの最終成果物であり、KLayoutなどのビューアを用いて視覚的に構造を確認できます。
klayout runs/fsm/results/final/gds/final.gds
OpenLaneによるレポートには、以下の設計指標が出力されます。
項目 | 意味 | 確認ファイル例 |
---|---|---|
Cell Area | 標準セル合計面積 | reports/synthesis/ |
Die Area | チップ総面積 | reports/floorplan/ |
Slack | クロック余裕時間 | reports/signoff/timing/ |
設計が製造可能な物理ルールに違反していないか、また論理設計と物理実装が一致しているかを確認します。
runs/fsm/reports/signoff/drc.rpt
runs/fsm/reports/signoff/lvs.rpt
“Clean”であることが、設計完了の重要指標です。
ブロック | セル数 | 面積 (um²) | DRC | タイミング |
---|---|---|---|---|
FSM | 約20 | 小 | Clean | Slack OK |
MUX | 約4 | 極小 | Clean | Slack OK |
Adder | 約40 | 中 | Clean | Slack OK |
OpenLaneでは設定ファイル(config.tcl
)を書き換えることで、試行錯誤的にこれらを学ぶことができます。
PoCブロックのVerilog記述から、物理設計・DRC確認・GDS生成まで一連の流れを経験しました。
次章(応用編)では、より複雑な設計(高耐圧、ESD保護、アナログ混載など)へと展開し、実践力を高めていきます。