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Sky130 MOS Model Setup and Initial Simulation — Detailed & Polished Edition

📘 概要｜Overview

本フォルダでは、Sky130 PDK の MOS トランジスタ SPICE モデルを正しく読み込み、
ngspice による動作確認を最低限の構成で確実に行うための設計を提供します。

特に、Sky130 モデルはファイル構造・階層・命名規則が複雑であるため、
誤った include/.lib 記述によりシミュレーション不能になるケースが多発します。

この章では、以下の内容を扱います：

✅ Sky130 PDK の 正しい ngspice モデルパス設定
✅ nfet/pfet_01v8 を用いた Vg–Id 基本特性測定
✅ .raw .log 出力の正しい扱い
✅ MOS Id の 確実に OS 依存なく得られる方法
✅ 教材としての 再現性100% のテンプレート構築

📁 フォルダ構成｜Folder Contents（詳細付き）

ファイル名｜Filename	説明｜Description
`nfet_vgid.spice`	`sky130_fd_pr__nfet_01v8` を用いた Vg–Id Sweep 教育用に最適化された最小構成
`pfet_vgid.spice`	`sky130_fd_pr__pfet_01v8` の対称特性実験
`sky130_model_paths.inc`	PDK モデルパス `.lib` を統一管理する include PDK_ROOT と PDK を一括管理できる教材仕様
`run_check.sh`	nfet/pfet の動作確認をまとめて行う実行スクリプト
`output/`	`.csv` `.log` ファイルの保存ディレクトリ（🛠 手動 or スクリプトで作成）

🔧 前提条件｜Requirements

項目｜Item	内容｜Details
✅ Sky130 PDK	`volare enable sky130A` により展開されていること
✅ PDK Root	例：`/mnt/c/openlane/pdks/`（WSL）
✅ ngspice	version 35以上推奨（Sky130 の .lib 読み込みに適合）
✅ OS	Linux / WSL2（Windows ngspice.exe は PDK パスで失敗しやすい）

🚀 Step 1：Sky130 SPICE モデルの正しい読み込み

✅ `.include` ではなく `.lib` を使う（Sky130 PDK 仕様）

Sky130 PDK は 複数の階層・コーナー（tt/ff/ss/…）を .lib 内で管理しているため、
.include を使うと モデルが重複定義されて ngspice が警告を出す。

✅ 正しい記述（教材推奨 / 再現性100%）

.lib "$::env(PDK_ROOT)/$::env(PDK)/libs.tech/ngspice/sky130.lib.spice" tt

📝 ポイント

$::env(PDK_ROOT) は OpenLane と完全互換
Linux / WSL / Docker すべてで動作
シミュレーションコーナーは tt（typical-typical）を使用
PDK 変更は
```
export PDK=sky130A
```
を変更するだけで全回路が切り替わる

✅ 教材として最も望ましい形式

🚀 Step 2：nfet_vgid.spice の実行

実行コマンド

ngspice nfet_vgid.spice

実行される内容

Vg（ゲート電圧）を線形 Sweep
Drain 電流を測定し Id–Vg カーブを生成
解析結果を内部バッファへ蓄積（.raw は必要時のみ書き出し）

📈 Step 3：結果の出力と保存

ngspice はデフォルトではファイル保存しないため
.control 内で保存命令を明示する必要がある。

例：CSV ファイル出力

.control
  set filetype=ascii
  wrdata output/nfet_vgid.csv v(g) Id
.endc

🛠 注意

output/ ディレクトリは ngspice 自動生成されない。
存在しない場合は作成すること：

mkdir -p output

🔍 Step 4：MOS Id の正しい取得方法（OS非依存の確実版）

Sky130 PDK の MOS 電流は Drain 側 branch current を利用するのが最も安全。

✅ 教材推奨（最も堅牢）

plot -vd#branch vs v(g)

✅ 物理量としての Id（符号付き）が必要な場合

let Id = -i(Vd)
plot Id vs v(g)

🧪 推奨追加 `.control`（教育用途に最適化）

.control
  run
  set filetype=ascii
  wrdata output/nfet_vgid.csv v(g) Id
  plot v(g) Id
.endc

学習者が結果を視覚的に把握しやすい
Python による可視化（第2章の後続ステップ）と完全連携

📝 Notes（補足）

nfet_01v8 / pfet_01v8 は 標準1.8V MOS
L/W の縮小 → サブスレッショルド領域の変化が観察可能
.meas による自動 Vth 抽出は第 03 章で扱う
本章は「Sky130 SPICE × Python × モデル理解の入口」

🔗 References

Sky130 PDK
https://github.com/google/skywater-pdk
ngspice
http://ngspice.sourceforge.net/

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実践編第2章：Sky130実験とSPICE特性評価