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🔄 状態遷移図と状態表


📘 状態の可視化とは?

FSMを設計する際、まず「状態とその遷移」を図や表で明確に整理することが重要です。
視覚的に設計を確認することで、動作の流れや設計ミスを早期に発見できます。


🌀 状態遷移図(State Diagram)

状態遷移図は、状態(ノード)と遷移(矢印)で構成される図です。

    [IDLE]
      |
    start
      ↓
   [WAIT_ACK]
      |
   ack_received
      ↓
    [DONE]

🛠 作図ツール例:


🗂 状態遷移表(State Table)

状態遷移表は、状態・入力・次状態・出力の対応を表形式でまとめたものです。

現在の状態 入力 次の状態 出力
IDLE 0 IDLE 0
IDLE 1 WAIT_ACK 0
WAIT_ACK 0 WAIT_ACK 0
WAIT_ACK 1 DONE 1
DONE X IDLE 0

📌 X はドントケア。未使用入力や任意値を意味します。


🔧 設計演習のすすめ方

  1. 状態を文章で洗い出す(「入力待ち」「通信中」など)
  2. 状態をノードにし、条件付き遷移を描く(状態遷移図)
  3. 表形式に落とし込む(状態遷移表)
  4. HDL(Verilog)で記述(→次章で扱う)

🎓 教材的意義


次は fsm_hdl_description.md:VerilogによるFSM記述 に進みます。