本節では、RTL設計段階において論理的な誤りや不整合を検出するための
Lint(構文・論理チェック)
および 形式検証(Formal Verification)
の基本を解説します。
特にSoC設計では、実装前の静的検証がバグの早期発見と設計品質の確保に不可欠です。
Lint
は、HDL記述に潜む構文エラーや論理的な非推奨記述を検出する静的解析手法です。
case
文の漏れ、default
の欠如ツール名 | 種類 | 備考 |
---|---|---|
Verilator |
OSS | Verilog専用。C++変換によるシミュレーション兼用 |
SpyGlass |
商用 | 業界標準のLintとCDC解析機能 |
Ascent Lint |
商用 | 高速解析、スタイルガイド対応 |
Formal Verification
は、設計仕様とRTL記述が常に論理的に一致しているかを証明する手法です。
複数クロックドメインを持つ設計において、不整合やメタ安定状態のリスクを検出するための静的検証。
SpyGlass CDC
、Conformal CDC
など(商用)OpenTimer
など一部 OSS も支援Lint
は、構文理解と設計スタイルの習熟に最適形式検証
は、動作仕様を論理的に理解・証明する力を養うCDC解析
は、非同期設計における信頼性設計の視点を与えるchapter5_soc_design_flow
:RTL記述と論理合成フローopenlane_validation.md
:配置配線後の検証との連携© 2025 Shinichi Samizo / MIT License