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💥 ESD破壊の実例と物理解析(Failure Analysis)


📘 概要

ESD設計の妥当性は、製品評価段階や市場後の不良解析(FA)によって検証されることが多くあります。
ここでは、ESDによる代表的な破壊モードと、その物理的解析手法、設計改善へのフィードバック事例を紹介します。


🔎 主なESD破壊モードと観察例

破壊モード 発生メカニズム 物理観察例
ゲート酸化膜破壊 高電界で絶縁破壊 TEM断面にて酸化膜破れ確認
ソース・ドレインのメルト 高電流で局所加熱・融解 OBIRCHで加熱箇所特定、SEMで溶融痕
メタル配線断線 瞬間的過電流 FIB切断後、空洞や焦げ跡
パッド下層の短絡 ESD素子未導通による直撃 EMMIでショート点、FIB解析にて貫通

🧪 代表的な解析手法

手法 概要 適用例
OBIRCH 電流経路の加熱点を可視化 ESDショート箇所の特定
FIB 集束イオンビームによる断面加工 層間短絡や膜破壊の観察
SEM 表面・断面の形状確認 溶断・溶融箇所の可視化
EDX 元素分析 異物混入や腐食の確認
EMMI 微弱発光観察 放電・リーク位置の探索

📂 不良事例:設計フィードバックの流れ

ケース①:GNDとの接続パスが細く、DPP距離が長かった


ケース②:アナログ入力にESD素子未接続


🔄 設計改善との連携


📚 教材的意義


🔗 本章まとめ

ESD対策は「設計・配置・評価・解析」が一体化した防御的設計であり、電気・物理・組織をつなぐ教育テーマです。


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