7.5 まとめ:DRの構造と実践から学ぶべきこと
📌 DRの意義を再確認する
- DRは「合否判定」ではなく、「リスク評価と技術合意形成の場」
- 成果物の評価に加え、不確実性と未然防止の議論が本質
- 教材としても、「形式にとらわれず、技術的妥当性を見抜く力」を育てる
🔁 フェーズごとの比較表
DR種別 |
主な目的 |
重要視すべき技術視点 |
企画DR |
顧客要求、仕様妥当性の整理 |
システム要件、コスト、ターゲット環境 |
開発DR |
設計成立性、信頼性、初期特性評価 |
回路成立、レイアウト妥当性、変動評価 |
量産DR |
歩留まり・再現性・検査性の確保 |
モニタリング、テストMAP、実装条件 |
プロセス開発DR |
プロセスばらつき、要素信頼性評価 |
TEG測定、材料物性、初期安定性 |
📚 ケース比較から得られる学び
ケース |
特徴 |
教育的な焦点 |
ケース①(既存プロセス) |
安定前提、製品要件適合が主眼 |
DRの基本構造理解、量産への責任 |
ケース②(新規プロセス) |
開発と設計が並行、試作検証重視 |
不確実性との付き合い方、技術統合 |
教材事例(7.4) |
DR通過後の量産不良 |
DRの限界、フィードバックと再設計文化 |
🎯 教育的まとめ
- DRを鵜呑みにしないこと。「成立性の見極め」は技術者の役割
- 設計・プロセス・品質が同じ視点で議論できる場づくりがDRの本質
- 教育のゴールは、「DRを通じて何を見抜くべきか」を言語化できる力を育てること