工程モニタリング(ETEST)は、ウエハ製造プロセスの健全性を評価するために不可欠な工程である。
回路ブロックとは独立したスクライブ領域(非製品領域)に配置されたTEG(Test Element Group)を使って測定を行い、素子ごとの特性変動や製造工程の異常を検出する。
測定項目 | 対象素子 | 測定目的 |
---|---|---|
Vth(しきい値電圧) | MOSトランジスタ | チャンネル形成のばらつき評価 |
Idsat(飽和電流) | MOSトランジスタ | キャリア移動度・ゲート長変動の評価 |
Vbd(破壊電圧) | ダイオード・絶縁層 | 絶縁性・信頼性指標の評価 |
Rpoly, Rmetal | 抵抗パターン | 配線抵抗の一貫性と設計通りかの確認 |
発見事項 | フィードバック例 |
---|---|
Vthのばらつきが想定以上 | ゲート長の設計変更、SPICEモデル見直し |
配線抵抗が高い | メタル層増加や配線幅調整の提案 |
絶縁破壊が多発 | プロセス条件(酸化膜厚)やマージン再検討 |
ETESTは、製造プロセスの健全性を確認するだけでなく、回路設計とプロセス開発をつなぐインタフェースでもある。
製品の歩留まりや信頼性を支える“見えない品質保証”の要として、設計者にもその重要性を理解してもらうべきである。
👉 Appendix: 0.18μm ETESTパラメータ一覧表(Markdown形式)