本節では、これまでに学習した論理ゲート・組み合わせ回路・FSMなどの構成要素について、それらがどのように役割分担し、相互に連携してデジタル回路を構成しているかを統合的に整理します。
デジタル回路は、大別して以下の3つのカテゴリで構成されます:
機能カテゴリ | 代表構成要素 | 主な役割 | 代表的な使用例 |
---|---|---|---|
制御(状態管理) | FSM(有限状態機械)、デコーダ | 状態や条件に応じた動作切り替え | シーケンサ、制御信号生成回路 |
選択(切替) | MUX(マルチプレクサ)、セレクタ | 複数入力から条件に応じて1つを選ぶ | データバス、アドレス選択、信号分岐 |
演算(計算) | XOR, AND, 加算器(Half / Full Adder) | ビット演算、加算などの論理演算処理 | ALU(演算論理装置)、カウンタ |
[ 制御(FSM) ]
↓
[ 選択(MUX) ]
↓
[ 演算(Adder, XOR, AND) ]
このように、制御 → 選択 → 演算という階層構造が、デジタル回路設計の基本構造を形成しています。
次章(第3章)では、こうした回路構成を実現する半導体プロセス技術やトランジスタ構造の進化に着目し、実装面での設計制約や工夫を学びます。
ここで得た視点は、回路構成と物理的実装の接続理解にもつながります。