🧪 第5章:R&D体制と設備投資
本章では、TSMCの研究開発体制、グローバルな設備投資戦略、人材獲得の仕組みなどを軸に、
ファウンドリ業界における技術優位の維持と事業拡大の両立について分析します。
また、TSMCの熊本・アリゾナ・ドイツ拠点展開も含めて、設備投資が持つ地政学的意味合いにも触れます。
🧭 本章の目的
- TSMCにおけるR&D組織構造と技術開発ロードマップの理解
- 設備投資(CapEx)の推移と拠点展開との関係整理
- グローバルFabの展開目的と政策誘導の構造的把握
- 人材獲得・大学連携・技術移転の制度的要素への着目
🗂 内容構成
セクション |
内容 |
5.1 |
TSMCの研究開発体制:R&D組織・プロセス・技術課題 |
5.2 |
CapExの推移とプロセスノード別投資傾向 |
5.3 |
熊本(JASM)、アリゾナ、ドイツ拠点の設備投資背景 |
5.4 |
投資回収モデルとファブ稼働率・先行技術の経済性 |
5.5 |
人材採用・教育制度・大学連携と知的資産化構造 |
💰 CapEx推移例(参考)
年度 |
TSMC設備投資(億ドル) |
主な投資内容 |
2020 |
約170 |
N5量産体制、EUV設備増強 |
2021 |
約300 |
N3準備、熊本進出協議 |
2022 |
約360 |
アリゾナ建設着手、N2先行開発 |
2023 |
約320 |
JASM建設本格化、研究開発人員強化 |
2024 |
約280 |
ドイツ進出決定、GAAライン試作 |
🌐 グローバル拠点とR&D展開
- 台湾(本社・新竹):研究開発中枢、先端プロセスの試作ファブ
- 熊本(JASM):Sony・Denso等との連携、量産導入と人材育成拠点
- アリゾナ:米国戦略対応・複数ノード併存型ファブ
- ドイツ:欧州車載向け、地政学リスク分散、EU補助金活用
🔍 補足キーワード
- R&D Center(先端研究センター)
- CapEx(資本的支出)/OpEx(運用費)
- Fabless-Foundry-Research連携
- 人材確保(エンジニア採用競争・研究インターン制度)
- 技術ライセンス/政府補助金/インセンティブ
📎 関連章
📅 更新履歴
日付 |
内容 |
2025-07-13 |
初版作成(R&D体制・設備投資・拠点展開を体系整理) |