🔗 第4章:サプライチェーンと国家戦略
本章では、TSMCを含むグローバル半導体産業におけるサプライチェーンの構造と国家戦略的な意味合いについて考察します。
製造装置・素材・人材・知的財産の各段階で発生する依存関係やボトルネックを可視化し、
CHIPS法やTSMC熊本拠点の背景を含めた経済安全保障の視点を取り入れます。
🧭 本章の目的
- サプライチェーン構成の全体像と要素分解(前工程〜後工程)
- 国家間の技術依存/供給リスクと戦略的対処の理解
- 米国CHIPS法、日本のTSMC誘致、中国の自立政策の構造的把握
- 半導体製造を支える素材・装置・EDAの国際分布の整理
🗂 内容構成
セクション |
内容 |
4.1 |
サプライチェーンの基本構造:設計→製造→パッケージ→出荷 |
4.2 |
前工程の依存関係:露光装置・ガス・ウエハなどの地理的分布 |
4.3 |
CHIPS法・日本誘致政策・EU戦略の比較 |
4.4 |
複数拠点化と「経済安全保障」政策の実態 |
4.5 |
地政学的ボトルネックと供給網レジリエンスの課題 |
🌍 サプライチェーン主要構成例
領域 |
主な供給国 |
備考 |
露光装置 |
オランダ(ASML) |
EUVはASMLのみ(TSMC, Samsung, Intelが依存) |
素材(ガス/フォトレジスト) |
日本(JSR, TOK, SUMCO) |
高純度素材に強み、安定供給の鍵 |
EDAツール |
米国(Synopsys, Cadence, Siemens) |
設計段階の依存度が高い |
パッケージ後工程 |
台湾・ASE、韓国・Amkor |
先端2.5D/3Dも集中 |
ファブ立地 |
台湾、日本、米国、韓国、中国 |
拠点分散と誘致合戦が加速中 |
🔍 補足キーワード
- CHIPS and Science Act(アメリカ)
- 経済安全保障(Economic Security)
- 多層サプライチェーン/Tier構造
- TSMC熊本工場(JASM)/TSMCアリゾナ
- 供給網レジリエンス(Supply Chain Resilience)
📎 関連章
📅 更新履歴
日付 |
内容 |
2025-07-13 |
初版作成(供給網・国家戦略・拠点分散の構造整理) |