03_creo_examples.md
🎓 CreoによるGD&T注記例 / GD&T Annotation Examples in Creo Parametric
本章では、PTC Creo Parametricを用いた幾何公差(GD&T)の注記手順を解説します。2D図面だけでなく、3Dモデル(MBD対応)への直接注記も対象とし、設計品質・検査準備性の向上を目的とします。
This chapter provides step-by-step examples of adding GD&T annotations in Creo Parametric. Both 2D drawing and 3D model annotations (MBD-ready) are covered to improve design intent clarity and inspection readiness.
📘 対象バージョン / Applicable Version
- Creo Parametric 7.0 以降(MBD対応強化)
- 旧バージョンでも基本操作は類似
🧭 基本手順 / Basic Workflow
✅ 2D図面にGD&T注記を追加する方法(Drawingモード)
- 図面モードに切り替え
- 3Dモデルから図面を生成済であることを前提とする。
- 注記タブを開く
- メニューから「注記(Annotation)」を選択。
- 幾何公差(GTOL)を選択
- ツールバーの「GTOL(幾何公差)」ボタンをクリック。
- 対象面またはエッジを選択
- 公差フレームを編集
- ダイアログで以下を設定:
- 幾何特性記号(例:⊥, Ⓕ)
- 公差値(例:0.1)
- 基準(Datum)参照(例:A, B)
- 修飾記号(例:MMC)
- 配置とリーダー線の調整
- 公差枠を適切な位置に配置し、リーダー線で要素と接続。
- 確認・保存
✅ 3DモデルにGD&Tを追加する方法(MBD対応 / Annotateモード)
- モデルを開く
- 「注記」タブを選択(Annotate)
- 幾何公差を追加
- 「公差記入(Geometric Tolerance)」を選択
- 対象面またはエッジを選択
- 公差枠を定義(特性、値、基準)
- データムフィーチャーを作成(必要時)
- 「Datum Feature Symbol」を用いて A/B/C を定義
- 表示状態の保存
🖼️ 図示例 / Annotation Examples
例1:平面度(Flatness)
┌──────┐
│ Ⓕ | 0.05 │
└──────┘
↑
└── 平面フィーチャーを指すリーダー線
例2:直角度(Perpendicularity)+基準A
┌────────────┐
│ ⊥ | 0.1 | A │
└────────────┘
例3:位置度(Position)+ MMC修飾
┌────────────────────┐
│ Ⓜ | 0.2 | M | A | B │
└────────────────────┘
💡 操作上のヒント / Tips
- 寸法と重複しない幾何公差の利用が推奨される
- MBDモデルではアノテーションセットを活用して可視性管理
- データム設定は「モデルの機能的基準」に基づくべき
01_gdt_basics.md
:GD&T記号と定義一覧
02_jis_iso_rules.md
:JIS/ISOに基づく記法ルール
04_drawing_exercises.md
:実践図面と演習課題
📎 添付予定 / Attachments (optional)
- Creo画面キャプチャ付きPDF(
assets/creo_gtol_examples.pdf
)
- サンプルパーツ:
gtol_sample.prt
/ gtol_drawing.drw