本章では、AIを用いた制御(ニューラルネット・強化学習)と、
従来の古典的制御(PID・LQRなど)との比較・使い分け・統合方針を探ります。
項目 | 古典制御(PID/LQRなど) | AI制御(NN/RLなど) |
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設計方法 | 数理モデル・解析に基づく | データ・経験に基づく学習 |
必要条件 | モデル構造や安定条件の明確化 | 入出力データの蓄積と学習設計 |
実装性 | 高い(組込み・計算コスト低) | 高い計算量、学習プロセスが必要 |
解釈性 | 高い(ゲイン・周波数応答など) | 低め(ブラックボックス的) |
柔軟性 | 限定的(線形・定常系が中心) | 高い(非線形・時変にも適応可能) |
パターン | 内容 | 例 |
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NN補助PID | PID出力にNNで補正 | NN-PID制御(02章) |
NNによるゲイン調整 | ゲインをNNが動的生成 | ゲインスケジューリングNN |
逆モデル × PID | 逆モデルで制御初期値 + PIDで微調整 | 安定性と追従性の両立 |
ルール+NN+LLM | 状態遷移(FSM)+ NN推定 + LLM判断 | AITL構想(09章) |
AITL(Adaptive Intelligent Three-Layered)構想では、
以下の3層で制御設計を分担します:
→ AI制御と古典制御を融合し、人間的な柔軟性と安全性を備えた制御を目指します。
part09_llm/
:LLM統合制御との連携展開