制御系の最も基本的な要件は「安定であること」です。本節では、古典制御理論における安定性の定義と、主要な判別法である Routh-Hurwitz判別法, 根軌跡法(Root Locus), ナイキスト法(Nyquist) を学びます。
制御系が安定であるとは、すべての閉ループ極が左半平面にあることを意味します。
伝達関数:
\[G(s) = \frac{N(s)}{D(s)} = \frac{b_ms^m + \cdots + b_0}{a_ns^n + \cdots + a_0}\]安定性は $D(s)$ の根(極)に依存します。Routh表を用いて、正の実部を持つ根が存在するかを判定します。
✅ すべての1列目が正 → 安定
(表の例は紙面またはPDF用で図示)
極の位置変化を視覚的に追跡する方法
開ループ伝達関数:
\[G(s)H(s) = \frac{K \cdot N(s)}{D(s)}\]周波数応答を用いた安定性評価手法
✅ $Z = 0$ → 安定
判別法 | 利点 | 注意点 |
---|---|---|
Routh-Hurwitz | 計算簡単・定量的 | 高次になると表が複雑 |
根軌跡法 | 可視化しやすい | モデルに依存・設計に応用 |
ナイキスト法 | 周波数特性で可能 | 周波数応答取得が必要 |
control.root_locus()
control.nyquist_plot()
※ 詳細は /simulation/stability_methods.py
を参照
control
, sympy
, matplotlib