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🧩 01. PID制御の基礎

PID(比例・積分・微分)制御は、最も基本的かつ広く使われているフィードバック制御の一種です。本節では、PID制御の原理とそれぞれの要素が制御系に与える影響を理解し、動作と設計の基本を習得します。


🎯 本節の学習目標


⚙️ PID制御とは?

PID制御は、以下のように制御量 $u(t)$ を定義します:

\[u(t) = K_P e(t) + K_I \int_0^t e(\tau)\,d\tau + K_D \frac{de(t)}{dt}\]

🧠 各成分の役割と影響

成分 名称 働き 効果
P 比例 誤差に比例した出力 応答の速さを決定、過大だと振動の原因に
I 積分 過去の誤差を累積 定常偏差を除去、過剰で遅れが大きくなる
D 微分 誤差の変化率に応答 応答を滑らかに、ノイズに弱い

🔧 ブロック線図と伝達関数

ブロック線図(例)

PID制御のブロック図

PID制御器の伝達関数(ラプラス領域)

\[C(s) = K_P + \frac{K_I}{s} + K_D s\]

🌀 PID制御の効果(ステップ応答で比較)

以下は同一の1次遅れ系に対して、各制御要素を個別に加えたときのステップ応答例です。

制御 応答特性 備考
Pのみ 応答は速いが定常誤差あり  
PI 定常誤差が解消されるが応答が遅くなる  
PD オーバーシュート抑制に有効だが誤差残る  
PID 安定性と応答性の両立を図る  

※ 実装例は /simulation/pid_simulation.py を参照。


💡 設計のポイント


📚 参考資料