FSM(有限状態機械)は、AITL-Hの第2層「制御層」における中核ロジックです。
人型ロボットにおける「行動の流れ」や「条件分岐」を構造的に記述・制御するために用いられます。
FSM(Finite State Machine)は、以下の要素から構成されます:
FSMを用いることで、複雑なロジックを視覚的かつ論理的に記述・管理できます。
[起動待機]
│(起動コマンド)
↓
[立ち上がり動作]
│(完了信号)
↓
[歩行状態]
│(障害物検知)
↓
[停止状態]
FSMは、LLM層からの高次判断を受けて、物理層(PID制御)に対して具体的な動作指令を出す中間制御層を担います:
上位 | LLM(推論層)→ FSMへ | 例:会話から「座って」命令を抽出 |
---|---|---|
中位 | FSM(制御層) | 状態遷移:歩行中 → 停止 → 座る |
下位 | FSM → PID制御 | 各関節に目標角度を伝達 |
ファイル名 | 役割 |
---|---|
fsm_engine.py |
FSMのコアエンジン(状態・遷移・入力管理) |
fsm_state_def.yaml |
状態定義・遷移条件を記述する設定ファイル |
fsm_simulator.ipynb |
FSM動作の可視化とテスト用ノートブック |
docs/fsm_design_notes.md |
設計方針・導入手順・使用例・LLM連携方法 |
FSMは、以下のような教育効果を持ちます:
FSMは単なる状態制御ではなく、「知能と物理の橋渡し」として重要な役割を果たします。
AITL-Hでは、FSMを構造的制御の基盤として位置づけ、教育・PoC・実装の全てで活用していきます。