🚪 第11章:PoC出口戦略とSystemDKへの接続展望

本章では、AITL-H PoCで構築した制御系設計を、ハードウェア実装やSoC統合へ橋渡しする戦略を示します。
ここでの出口戦略とは、PoCで設計・検証された構成を、RTL設計やPDKベースの実装に展開するための考え方です。


1. 🧭 PoCでどこまで設計したか

PoCで実現する範囲は以下の通りです:

  • FSM・PID・LLMによる統合制御設計
  • UART/PWM/Sensor制御のPythonレベルでの模擬運用
  • 状態遷移・制御パラメータの明示的な設計構造(yaml/python)

一方で、RTL記述・シリコン実装・レイアウト設計などは範囲外です。


2. 🛣 RTL/PDK展開への接続

PoC成果をRTL・PDKへ展開するには:

PoC成果物 展開先 コメント
fsm_config.yaml FSM HDL記述 ステートと遷移をVerilogに変換可能
pid_controller.py PID RTL記述 浮動小数点 → 固定小数点変換と精度検討が必要
sensor_interface.py I/F RTL記述 センサプロトコルとの整合性確認が必要
run_main.py SoC統合設計 各ブロック統合の仕様書に変換

これらはEdusemi教材(特別編)にて展開を予定


3. 🧩 SystemDKとの関係性

SystemDK(System Design Kit)は、複数の知能要素と制御要素をSoC/FPGA上に統合する設計キット構想です。

PoCは以下の点でSystemDKのプロトタイプと見なせます:

  • 三層構造(FSM/PID/LLM)を明示的にモジュール化
  • 状態・命令・信号の構造が記述可能な形式で分離
  • PoCで設計したものをブロック単位でRTL化して持ち込める

4. 🔄 展開シナリオとフェーズ

フェーズ 内容 参考
Phase 0 AITL-H PoC設計完了 現在地点
Phase 1 RTL記述への変換 Edusemi特別編で対応
Phase 2 OpenLaneによる論理合成 Edusemi実践編と連携
Phase 3 SoC統合とSystemDK化 AITL構想の最終展開

🔚 まとめ

AITL-H PoCは、実用制御アーキテクチャの理論設計をRTLに接続可能な形で提示したものです。
今後の展開はEdusemi特別編との連携を通じて、実機ハードウェアへの接続と知的制御の実装へ進んでいきます。